“ファンと演者”だった西嶋さんが“兄さん”になってそして、

作家
詩野エリス, 保田飯飯
発売日
2025-05-30
価格
¥495
ページ数
80ページ
レーベル
THE猥談

作品紹介

お笑いが好きで、ずっと追いかけていた芸人がいた。若手芸人の向井にとって、事務所の先輩である西嶋は、かつて客席から見つめるだけだった憧れの存在。同じ世界に飛び込み、今では「兄さん」と呼ぶ関係になったけれど、熱狂的なファンだった過去はひた隠しにしている。礼儀正しく敬語で接してくる彼との縮まらない距離に、もどかしさと寂しさを募らせる日々。そんな彼女には、誰にも言えないもう一つの秘密があった。芸人仲間である竹内との、割り切った身体だけの関係だ。 ある夜、3人で飲んだ帰り、事件は起きる。西嶋が竹内の部屋で酔い潰れて眠ってしまった、そのすぐ隣で。向井は竹内に求められ、抗うことができないまま肌を重ねてしまう。憧れの人がすぐそばにいるという強烈な背徳感は、思考を麻痺させ、身体を甘く疼かせる。この一夜が、歪な三角関係の均衡を崩すとも知らずに……。 後日、西嶋と二人きりになった帰り道、彼は静かに口を開いた。「あんな声出すんですね」。あの夜の情事を、彼はすべて聞いていたのだ。隠していたはずの欲望を、憧れの彼に知られてしまった絶望と羞恥に凍り付く向井。しかし、西嶋の瞳に宿っていたのは軽蔑ではなく、嫉妬に濡れた暗い独占欲だった。「俺のこと見てくれてると思ってた」。ずっと昔から彼女を知っていたという彼の口から紡がれる言葉と、強引に掴まれた手首の熱。ファンと演者、先輩と後輩。幾重にも重ねた建前が剥がされたとき、二人の関係はホテルの一室で、熱を帯びて暴走を始める。

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